【完】溺愛男子の愛し方

「ねぇ、隼人。やっぱり、やめた方がいいんじゃ……」


さっきから、私がそう言っても、


「大丈夫だ」


の、一点張り


顔からして、大丈夫じゃないって


まだ滑る所に行ってないのに、今からこんなんじゃ絶対無理だって


でも、どんな言葉をかければいいのか分からず、結局滑る所まで来てしまった


「カップルさんですね?こちらの浮き輪は、どうでしょう?」


と言って出されたのは、二つの穴が空いている浮き輪だった


これ……すっごく密着するじゃん!!


そうわかった途端に、顔の熱さがヒートアップ寸前まで上がった


さすがに、隼人も……


「これにします」


と、目を輝かせて言った


……嘘


これ、隼人じゃなくて、私がピンチ……?


「では、ここに座ってくださ~い」


そう言われて、私が真っ先に言った


「私、前座りたい。いい?」


隼人にそう言うと、


「あ、あぁ……」


悔しいのか、顔を逸らして言いたくなさそうに言った


男だから前に行かないと、って思うんだろうけど


怖いんだろうね


隼人の心の中を想像しながら、浮き輪の上に座った


隼人がすぐ後ろに座った


「危ないので、後ろの方は前の方に掴まってください」


……今、なんて言いました?


私が固まっていると、隼人が抱きついてきた
< 101 / 159 >

この作品をシェア

pagetop