【完】溺愛男子の愛し方
「ねぇ、隼人。やっぱり、やめた方がいいんじゃ……」
さっきから、私がそう言っても、
「大丈夫だ」
の、一点張り
顔からして、大丈夫じゃないって
まだ滑る所に行ってないのに、今からこんなんじゃ絶対無理だって
でも、どんな言葉をかければいいのか分からず、結局滑る所まで来てしまった
「カップルさんですね?こちらの浮き輪は、どうでしょう?」
と言って出されたのは、二つの穴が空いている浮き輪だった
これ……すっごく密着するじゃん!!
そうわかった途端に、顔の熱さがヒートアップ寸前まで上がった
さすがに、隼人も……
「これにします」
と、目を輝かせて言った
……嘘
これ、隼人じゃなくて、私がピンチ……?
「では、ここに座ってくださ~い」
そう言われて、私が真っ先に言った
「私、前座りたい。いい?」
隼人にそう言うと、
「あ、あぁ……」
悔しいのか、顔を逸らして言いたくなさそうに言った
男だから前に行かないと、って思うんだろうけど
怖いんだろうね
隼人の心の中を想像しながら、浮き輪の上に座った
隼人がすぐ後ろに座った
「危ないので、後ろの方は前の方に掴まってください」
……今、なんて言いました?
私が固まっていると、隼人が抱きついてきた