【完】溺愛男子の愛し方

「!?!?」


え、ちょっと待って!!


状況が……


「いってらっしゃいませ~」


と、考える時間ももらえず、浮き輪を流された


後ろとは、間がほぼ0センチという近さ


楽しい楽しい楽しい……


隼人のことを考えると、顔が赤くなっちゃうから、必死に他のことを考えていた


いろんな所をくねくねして、数十秒ぐらいでプールに流された


思いっきり水の中にダイブして、髪の毛までビショビショに濡れた


……で、今もなぜか隼人に抱きしめられている


「隼人、もう終わったよ」


そう問いかけても、何も反応がなかった


「……隼人?」


体をねじって、隼人の手から離れて、様子を伺った


すると……


な、泣いてる?!


そんなに、怖かったの?!


とにかく、どこかに移動しないと、周りの人に見られてしまう


「隼人、行くよ」


隼人の手を引いて、場所を移動した


「隼人、ごめんね?怖い思いさせちゃって……」


私が言っても、泣いているだけで、何も答えない


あぁ、もう!


隼人のバカ!


私は、隼人のおでこにキスした


「!」


ビクッと隼人の体が反応したのを確認して、ゆっくり離れた


隼人は目を見開いて、私を見ていた


涙は、止まっていた
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