【完】溺愛男子の愛し方
「食べれそうなの見てくる」
修がそう言って、部屋を出ていってしまった
しばらくして、修が戻ってきた
思ったよりも早かった
「こんなものしか、なかったんだけど……」
手に持っていたものは、缶詰めやプリンといった手軽に食べられるものだった
「食べられそう?」
「うん、ありがとう。ごめんね。迷惑かけちゃって……」
「気にしないで。鈴は、もっと甘えてもいいんだから」
微笑んで、そう言ってくれた
甘えるなんて、したことないもん
私には、できない
プリンを修からもらって、食べ終わると少し疲れて眠たくなってしまった
その前に、修に言いたいことがあった
「修。風邪うつっちゃうから、ここにいない方がいいよ」
体がだるくて、起こすのも無理そうな状態で、家に帰ることはできそうになかった
居座っちゃうことになるのは本当に申し訳なかったけど、せめて修にうつらないように、と思って、言っておきたかった
「鈴が寝たら、出ていくよ」
「それじゃ遅い……」
「ちゃんと出ていくから」
「……」
修のその言葉に負けて、寝ようと思った
「約束だからね?」
「うん」
優しく、そう応えてくれた
修が隣にいてくれることで、安心してた
恥ずかしくて、そんなこと言わないけど
修が応えてくれたのを確認して、私は目を閉じた