【完】溺愛男子の愛し方
どれくらい眠っていたのかわからないけど、気づいた時には夕方だった
長いこと寝ちゃったんだ……
寝る前に比べて、体調もいいし、気分が良かった
起きようと思って、体を起こした
今気づいたけど、手が何かに包まれている感覚がして、右手の方を見た
見ると、修が隣で私の手を握りながら、ベッドの上に頭だけ乗せて寝ていた
出ていくって、約束したのに!
でも、このまま起こすのも、勿体無いと思ってしまった
私と修は、美音と祐のように同じ家に住んでる訳じゃない
美音と祐が特別なんだけど……
美音にとって、祐の寝顔を見るのはいつものことだけど、私にとっては、修の寝顔を見るのは相当珍しい
大きくなって、お互いを意識し始めた時から、寝顔なんてずっと見れてなかった
修の寝顔は、最後に見た顔とあまり変わらず、整っていた
一重で細い目は、きれいに閉じられていて、口から微かに寝息をたてていた
メガネを外していて、普段の厳しい副会長はどこに行ったのやらという感じ
整っていてきれいなんだけど、どこか幼くて……
久しぶりに見た私にとっては、どこか新鮮だった
このまま、ずっと眺めてたいな……
そんな思いも虚しく、修の瞼がピクリと動いた
起こしたかなって思った瞬間、修は目を開けた
「……おはよう、修」
私は一応、優しく言った
約束を破ったことはちょっと怒ってるけど、修の寝顔が見れたことに満足していた
「起きてたんなら、起こしてくれればよかったのに……」
寝起きで間もないせいか、修は目がちゃんと開いていなかった