【完】溺愛男子の愛し方

ペンの下には、書類があった


「!」


……これ、こんな所に入ってたんだ


普段、書斎に入らないから、知らなかった


私は、二つ折りにされている紙に手を伸ばして、中を見た


そこには、“養子縁組”と書かれていた


祐の名前、祐の両親の名前、祐の元の住所、そして、私の両親の名前……


……これは、祐がこの家の養子であることを証明する紙


調べてわかったことは、戸籍上、実の親と養親の4人の親を持つということ


つまり、私と祐は、義理の兄妹


同い年だから、双子かな?


戸籍上、そういうことになる


今から、10年前


小学校に上がった春、それは起こった


当時、7歳だったけど、その時のことはよく覚えてる


私は、祐と隼人と公園で遊んでいた


公園に接する道路は、あまり車が通らず、小さい子が遊ぶには安全な公園だった


その時は、三人のお母さんたちもいた


お母さんたちは話をしていて、私たちはボール遊びをしていた


その時、ボールが道路に転がっていってしまった


それが、あの事故を引き起こすことになる
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