【完】溺愛男子の愛し方

母親を7歳という幼さで亡くした


祐のお母さんは、私のせいで事故にあって、亡くなってしまった


祐にも、怪我を負わせた


絶対、祐に嫌われてる


小さいながらも、周りの状況を理解してそんなことを思っていた


でも祐は、私を見て……


『美音ちゃんが無事でよかったぁ……』


と、更に泣いて抱きしめた


あの時は、本当に驚いた


まさか、そんなことを言われるなんて、思っていなかったから


周りの大人たちも仕方がない事故だったと言っていた


運転をしていた人は、飲酒をしていたから


運転手の不注意で速い速度で運転し、事故のことはあまり覚えてないと言っていたらしい


そのせいで、祐のお母さんは即死だった


祐はその頃から賢かったから、ちゃんと理解していたはず


その後も祐は変わらず、私と一緒にいてくれた


そして、それから5年後の5年前


唯一、祐の頼りであるお父さんが亡くなってしまった


祐のお父さんは、昔から体が弱くて、大きな病気にかかることもあった


亡くなった原因は、過労


体の弱い祐のお父さんが、祐を育てていくのにも限界があった


私の両親もよく心配していたのを覚えてる


また大切な人を突然亡くした祐は、荒れに荒れた


小6でいろんなことを知っていた祐は、お父さんが亡くなったことを誰よりも理解していた


それと同時に、受け入れるのにとても時間がかかった


祐が現実を受け入れた時には、私たちは中学生になっていた


そして……
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