【完】溺愛男子の愛し方
「祐~」
私は、書斎のドアを開けた
「!美音!」
祐は棚の前に立っていた
振り向いた祐の手の中には、1枚の紙があった
「……なんで……」
それは、“養子縁組”と書かれた紙だった
「……さっき美音が見てたのって、これ?」
「!」
私は、言おうか迷った
そして……
「……そうだよ」
「!」
祐は、動揺した
「……中3の時、見つけたの。私たち、兄妹なんでしょ?」
「それは……」
私は下を向いて、祐の言葉を遮った
「“兄妹”なんだから、恋人扱いなんてしないでよ。そんなの……」
そして、顔を上げて言った
「辛い現実を見るだけじゃん……」
いつの間にか、涙でいっぱいになっていた目で祐を見た
私は耐えられなくなって、書斎を飛び出した
「美音!」
祐が呼んでいるのを無視して