【完】溺愛男子の愛し方

「鈴」


修が不意に私の名前を呼んだ


「な、何?」


「体勢、変えてもいい?」


「う、うん……」


私が答えると、修は私をお姫様抱っこで持ち上げて、膝の上に降ろした


私の足から手を離して、背中を支える手に力を入れた


修に触れられている部分に、熱を持っているのがわかる


「鈴……」


また名前を呼ばれたけど、今度はどこか悲しそうだった


私の名前を呼んで、抱きしめた


あ、修の匂いだ……


修の鎖骨に、顔をうずめた


しばらくそのままでいると、修は更に私を抱きしめた


「……修?」


私は、修の行動に違和感を感じた


いつもの修と違う……


私が呼ぶと、修は私を離した


「今日は、もう寝ようか。明日もいっぱい遊ぼ、鈴」


「……うん」


どこか難しそうな顔をしていた


修にお姫様抱っこをされて、布団に連れていかれた


「……一緒に寝ていい?」


「……うん。一緒に寝よ」


私がそう言うと、修は私の隣に入ってきた


修は、私を抱き寄せた


しばらくして、修の温もりが伝わってくるのを感じた


……修がいる


それだけで、とても安心した


「おやすみ、鈴」


隣に大好きな……この世界で、一番愛してる人がいる


それって、とっても幸せなことなんだ……


普段、しないことをして、そんなことを思った


誰にもこの関係を知られずに生活していくのは大変だけど、こんな幸せな時間が長く続けばいいと思っていた
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