【完】溺愛男子の愛し方
「……その気持ちだけで、十分だと思いますよ~?」
「え?」
「その気持ちさえあれば、お二人はどんな困難も乗り越えていけると思いますよ~」
「でも……」
「……修平センパイは、そんなこと気にしないっておっしゃってるんですよね~?」
「うん……」
「修平センパイのお気持ちは、聞かれましたか?」
「修の気持ち……?」
「はい~」
……そういえば、ちゃんと聞いてない
一方的に、私の気持ちを修に押し付けただけ
「もう一度、ちゃんとお話してみてはどうですか~?」
「……」
「修平センパイは厳しい人ですけど、鈴花センパイには優しいので、きっと分かり合えると思いますよ~」
……そうだよね
ちゃんと話さないと、ダメだよね
「……ありがとう、ありす。もう一度、ちゃんと話してみるね」
「はい~」
私の気持ちは変わらないけど、一方的に押し付けてるだけじゃダメだから
ちゃんと、修と分かり合いたい
キーンコーンカーンコーン……
8時を知らせるチャイムが鳴った
もう修は来ているはず
「……ごめん、ありす。私、行かなきゃ」
そう言って、私は立ち上がった
「はい。いってらっしゃいです!」
「……本当にありがとう」
前に進まないと……修に置いてかれちゃう
私は修の隣で、一緒に歩いていきたい
私は決心して、修のクラスに向かった