【完】溺愛男子の愛し方
屋上に着くと、先に祐がいた
「!美音……」
私は、ゆっくりと祐の前まで歩いた
……たとえ、兄妹でも、この気持ちだけは誰にも譲れないから……
祐の目の前まで来て、まっすぐ祐を見つめた
「……私、ずっと祐のこと避けてた。“義理の兄妹”だって知った時から、祐と距離を置いてきた。だって……」
私はもう一度、祐を見た
「“好き”って気持ちが、溢れて止まらなくて、どうしていいのかわからなかった」
私は、今までの思いを爆発させたかのように、言葉を続けた
「……ずっとずっと好きだった、小さい頃から。でも、祐のお母さんを死なせたのは私だから、そんなこと許されないって思ってた」
「それは違う!母さんは、飛び出した俺を助けるために……」
「でも、私が道路に飛び出さなければ、あんな事故は起きなかったの」
「美音……」
「……中学3年生の時、あの紙を見つけた」
「……」
「正直、辛かったよ。祐のこと、好きだってわかってたから……。もうこんな気持ち、なくすしかないって思った」
……でも……
「……でも、なくせなかった……」
私は止まらなくなって、涙を流しながら続けた
「祐が私のことを恋人のように扱い始めてから、どんどん好きって気持ちが止まらなくなった。でも……伝えちゃいけないって思った」
「美音……」
「……でもね、今日、隼人に言われちゃった。ちゃんと気持ちは伝えろって、もう逃げるなって。だから、私は……」
私は目を閉じて、心を落ち着かせた
そして、再び目を開けた
「……この気持ちを祐に伝えようと思った。後悔なんてしたくなかったから。……ごめんね。一方的に私の気持ちだけ押し付けて、避けて……。本当にごめんなさい」
……ギュッ
祐が、私を抱きしめた