【完】溺愛男子の愛し方
長話をしていると、夕方になった
もうすぐ日が暮れる時間に、私と祐は町を歩いていた
「ねぇ、祐。どこ、行くの?」
「それは、着いてからのお楽しみ」
「えぇ~?」
でも、着いたらわかるんだもんね
それから、30分ぐらいが経過した
「ねぇ、祐……本当に、この道で合ってるの……?」
「合ってるよ」
「えぇ?!」
道があるような、ないような山道を歩かされている
本当に、こんな道なの?
半信半疑に思いながら、祐の後ろをついていった
それから、また30分後
辺りが真っ暗になってしまったぐらいに、山の一番上に来た
「!すごーい!」
その場所から、町が見下ろせた
夜だったということもあり、とてもきれいだった
「なんでこんな場所、知ってるの?」
「昔、父さんに教えてもらって、この場所に来たんだ。父さんと母さんの思い出の場所だって」
「……そっか」
「……美音を連れてきたくて……」
「えっ?」
「……父さんが自分の大切な人と、ここに思い出を作りに来たらいいって言ってて……。それで、美音を連れていきたいなって思って」
祐は言葉を区切って、私の方にまっすぐ向いた