【完】溺愛男子の愛し方

「こんにちは」 美音 side


美音 side


私と祐は結局、ホームルームが終わるまで生徒会室で過ごした


これ、修平に怒られるやつじゃん……


と、説教を覚悟していた


「ねぇ、美音。このまま、ここにいようよ」


「それはダメ!全部が補償されている訳じゃないんだから!」


そもそもこの生徒会に入る気なんてなかったのに、祐に説得されて嫌々入ってしまった


それこそ祐の言うことなんか聞いたら、また祐の思う壺じゃないの!


「俺が頼めば、なんだってできるよ?」


「それは……」


この学校の主導権は、ほぼ祐が握っていると言ってもいい


それだけこの学校は、生徒に困っているということ


だから、この生徒会の制度もおかしい


それに先生たちは、祐に頼りっぱなし


理事長ですら、そのことに諦めかけている


いや、諦めちゃダメでしょ?


先生としてどうなのよ、それ


「俺は美音のためなら、なんだってできるよ」


「……」


そう言った祐は、真剣な顔をしていた
< 20 / 159 >

この作品をシェア

pagetop