【完】溺愛男子の愛し方
「……なんで?」
「こんにちはって、挨拶しなきゃでしょ?」
「だからって、なんでハグなの?」
「美音としたいから」
「……」
呆れて、物も言えなくなる
「今、誰もいないし……ね?」
そう言って、祐は腕を広げた
「……」
私は腕を後ろに伸ばして、ドアを閉めた
そして、祐に向かって一歩踏み出した
数歩歩いて、祐の前まで止まる
ずっと私を映している祐の目を見上げた
「美音」
呼ばれて私は、祐に手を伸ばした
すると……
「誰かいるのかー?」
ガラガラガラ……とドアが開く音を立てて、隼人が入ってきた
「わっ!?」
私はとっさに伸ばしていた手で、祐の胸を力強く押した
バタン!
そのまま祐は、後ろに倒れてしまった