【完】溺愛男子の愛し方
「こんばんは」 美音 side
美音 side
あの後、チャイムが鳴ってお昼休みが終わり、さっきの出来事を二人が流さないよう、祐が念入りに釘を打ってから教室に向かった
今は、古典の授業
古典の先生は教え方が下手くそだから、いつも聞いていない
今もそうだった
私はボーッとしながら、昔のことを思い出していた
小さい頃の二人は、あんなんじゃなかった
祐は小さい頃から優しくて、それこそみんなの前で振舞っている時の祐だった
でも昔の隼人は、泣き虫で、弱くて、力もなくて、身長も私より低くて……
全てが今とは逆だった
あんなチャラいキャラじゃないし、ケンカ早くなかった
私が守っていたぐらいだった
……思えば、なんであんなに変わったんだろう
今になって、疑問として浮かび上がってくる
……そんなの、隼人本人に聞かないとわからないよね
私は隼人のことじゃなく、祐のことを考えた
逆に祐は、あんまり変わってないよね
溺愛してくる所以外は
まぁ昔も、今言われてるみたいなことを少し言われてたんだけど……
それが大きくなるにつれて、どんどん暴走していった感じ
一番ピークを迎えたのが、高一の時
あの時に、一気にやること言うことが暴走していって、今に至る……
二人は、本気で私のこと好きでいてくれてるんだ……
そう思うだけで、胸がいっぱいになった