【完】溺愛男子の愛し方
「ここの問いは……佐伯!」
「えっ?」
「えっ?じゃない。この問いの答えを言って」
いや、待って待って
私、話聞いてなかったから、全然わからないよ
あぁ……どうしよう……
コンコン
隣で、机を軽く叩く音がした
チラッと見ると、隣の席の祐が教科書に答えを書いて、指を指していた
「……愛してやまない……っていう意味です」
「よろしい」
そう言われて、私は座った
助かった……
「……ボーッとしすぎ」
こそっと言われて、笑顔を向けられた
その笑顔が優しくって、普段反応しないはずなのに、顔が赤くなった
わぁぁー……
……やばい
祐のかっこよさと優しさに、私の心臓が反応している
「はい。じゃあ、今から一人一人この問題解いて。相談はなし!」
そう言われて、頭のいい人たちが集まった教室は、何も聞こえなくなった
自分で何もしなくても、心臓が必死に脈を打っている音が聞こえる