【完】溺愛男子の愛し方
「……すごい」
祐が私の目の前に置いたのは、小さなチョコケーキだった
「これ、どうやって作ったの?」
「簡単だよ。スポンジを作って、チョコをかけて、トッピングして冷やしたら、出来上がり」
それでパリパリしたチョコの中に、ふんわりとした食感が作れるんだ
そんなんでみんながみんな、こんな風に作れるとは思えないけど
私は話を聞きながら、食べ始めていた
「ねぇ、祐!これ、また作ってね!」
「うん」
すっごく美味しい!
一瞬で食べ終わって、ごちそうさまをした
「ごちそうさま、祐」
「いえいえ」
「……祐、食べるの早いね」
「そうかな?」
だって、私が食べ終わった時には、祐も食べ終わってるんだよ?
量もあるとは思うけど、いつもそうだから、少し疑問に思う
その疑問を頭の片隅に置いて、食器を流しに運んだ
「俺、聖矢寝かせるね」
「わかった。片付けしてるね」
「ありがとう」
祐は聖矢くんを連れて、廊下を挟んだ向かいの部屋に行った
この家、あまり音が響かないから、こっちで何かしていても大丈夫なはず
そう思って、まずは掃除機をかけた
掃除機は音が大きいから、念のため弱でかけた
一通りかけ終わった後、洗濯機を回しに洗面所に向かった
洗濯機に、汚れ物を入れて回し始め、リビングに戻った