【完】溺愛男子の愛し方
『明日の9時、××駅に集合な』
『一緒に、駅まで行かないの?』
わざわざ駅に集合しなくても、家が近くなんだから、一緒に行ったらいいのに……
『祐に、バレるかもしれねぇーだろ?』
『なんで、祐にバレちゃダメなの?』
『忘れたのか?夏休み前の出来事』
夏休み前の出来事?
何か、あったっけ?
『何かあった?』
『俺と祐で、お前を落とすって言っただろ』
「……あぁー!!」
心の声が、普通に漏れた
「どうした?美音」
私の部屋で、勉強していた祐が言った
「何もないよ!ずっと忘れてたことが思い出せただけ!」
とっさにしては、よく思いついたなと自分でも思う
「そう?何かあったら、すぐ言ってね」
「うん!」
祐は、勉強を再開した
携帯を見られたら、ヤバかった
てか、なんで私の部屋で勉強してるのよ
いつものことだけど……
私は諦めて、さっきの続きを返した
『そんなこと、あったね』
文字だけではわからないだろうけど、すっごく動揺している
そうだった、そうだった……そうだったよ!
本当に、忘れてた……