【短編】出逢いがしらに恋をして 番外編 ジュリオ・サイド
だが、チャンスは巡ってきた。

一緒になった帰りの電車のなかで、日曜日に出かける約束を取り付けたのだ。

もちろん、仕事にかこつけてだが。

最高の1日だった。

「美味しいー!」

そう言って、子どもみたいにキラキラと瞳を輝かせてケーキを頬張るひよりに、
あらためて、しっかりと心を奪われた。

そして、さらに彼女の別の一面も知ることになった。

遠慮がちに提案してくれた企画。その目の付け所に感心した。
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