冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい
放たれたセリフは核心をついていた。
やがて、病院の外が騒がしくなり、国境の町の住民たちが集まってきたと気づいた。その多くが容態を心配する人であり、アスランが陛下はB型だと告げると、多くの人が献血に協力すると申し出てくれた。
そして三時間後。ようやく手術が終わり、婚約者である私のみ面会が許された。
目を閉じたままの彼は意識を取り戻さないが、その脈は確かに一定のリズムを刻んでいる。
一ヶ月ぶりの対面で、会話ができないとは思わなかった。
『ランシュア。早く会いたい』
握り返さない指に手を重ね、自然と涙がこぼれ落ちる。
レウル様、起きてください。
今、世の中はすごいことになっているんですよ?
あなたが国を追放されるかもしれないと恐れていた過去を知っても、誰一人として糾弾する人はいませんでした。
王になる資格がないと言っていたあなたが再び玉座に座るのを、国中が望んでいるのです。
国民も、臣下も、陛下の無事を祈っています。レウル様以上に君主に相応しい人はいないのだと。