愛され妹っ。

立ち尽くして泣いていたら、

「…ったく、おい。迎えに来てやったから、
早く帰るぞ」


恵都兄……!


「お前、朝から迷惑すぎんだよ、ったく、ムカつく」


「…ごめんなさい」


恵都兄の腕に、ギュッとしがみついて
歩いた。
安心するこの香り、声、ぬくもり。


無言で歩いていると、駅に着いた。


「今から電車乗るってのに、泣いてたら
俺が泣かせたみたいだから、静かにしとけ」

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