愛され妹っ。


その時、今度は、私がもたれてたドア側が開いたから、恵都兄も私から離れた。

ふぅ…
と、ひと息ついていたら、
今度は、ドッと、人が電車内に流れてきて

「わっ…!」

流される…!後ろから、左から右から、
押し寄せられて、倒れそうになった。

やばい!私、倒れちゃう……!


その時、
強く腕を掴まれて、また抱き寄せられた。
今度は強く。

「おい、俺にもたれとけって言っただろ、バカ」


うっ…

だって、大丈夫だと思ってたし、
高校生達が、私達をみてて
恥ずかしかったんだもん……


「倒れそうだった…」


「ったく、言っただろ」


「…っ」


「泣くなよ、今度こそ俺が泣かせたと思われたら、お前と二度と電車なんて乗ってやんねぇから」

やっぱり意地悪だ。

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