愛され妹っ。
「大丈夫?」
「強く押されちゃって、よろけちゃった、へへ」
「なんだアイツ、腹立つ」
遥くんは私の前ではいつも優しくて、
イライラしてる遥くんをみるのは久しぶりだった。
遥くんの部屋に入って、
ベッドに横たわる。
「眠〜い!」
「今日はゆっくり寝なよ」
と、いつもと同じ時間が戻ってきたかと
思ったら…
隣の私の部屋から聞こえてきた、おばさんの声。
「由奈!!!貴方、初日から、喧嘩して!
あの子には兄2人いるけど、貴方は1人なの!大人しくしてなさい!」
「じゃあ、私のお兄ちゃん連れてきてもいい!?」
「やめなさい、あんな子、うちの子じゃないわ」
大きな声で騒いでいるから、聞きたくなくても
聞こえてくる。
「訳ありなんだな…」と、遥くんが一言。
「ねぇ、由奈さんのお兄ちゃんが来たら
どうする?」
「どうもしねぇけど、優樹菜の事は守ってやるから安心して」
「うん」
「風呂、まだなんだろ?入ってこいよ、ついて行ってやろうか?」
「…大丈夫!ありがとう」
「今日も兄貴の部屋で寝る?」
「う〜ん、まだ分からない」
いつも通りでいいのか…
「そっか。いつでも来いよ」
遥くんは優しい。
そのまま、お風呂に行く為に下へ降りる。