その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党


「別に必要ないんじゃない?
あいつらが仕事以外の大切な時間を俺達とともになんて考えられないし、時間の無駄だと思うけどね。

ま、明智君は優しいからそうは思わないかもしれないけど」


健太郎もトオルを見てため息をついた。
このEOCに蔓延しているラブラブな雰囲気に、本当についていけない時がある。

ジャスティンにトオルさん、映司さんまで最愛の女性を見つけて幸せオーラを見せつけている。
もちろん、事の始まりは天才で変人と呼ばれた凪さんのマイマイへの堕ちっぷりが見事なせいだったかららしい。
それは今では伝説のように語り継がれている。


「そうですか…
じゃ、あの、謙人さん…
もし良かったら、僕の探求心に付き合ってもらえないですか?」


「探求心?」


健太郎は満面の笑みを浮かべた。
自分に二面性があるとは思っていない。
その都度その都度、顔を出すその時の自分が本当の自分だから。


「はい。
実は、あるクラブに興味がありまして。
自分の知識を深める上で、高級クラブの実態を知っておきたいなと」


「高級クラブ?
え? 女の子がいる所?」


健太郎は困った顔をして微笑んだ。


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