その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党


健太郎はロビンとミアの会話を聞きながら、加賀谷という男の名前を頭の中にインプットした。
ロビンを命がけで救ったとか、ロビンにとって大切な人とか、余計な言葉も頭の中に残っている。
加賀谷という男…
健太郎にとって、この質問が一番聞きたかった事だった。

ロビンは健太郎の問いかけに、肩をすくめる。
そして、廊下の壁と健太郎の両腕に囲われている状態からスルッと抜け出しリビングへ向かった。

ロビンは加賀谷君の事はケンには話したくなかった。
ロビンの今の状況が夜明けだとしたら、ロビンのこの間までの過去は闇の中だ。
でも、加賀谷君は、その闇の中の唯一の友人だった。
ミアと加賀谷君、その二人が居てくれたから今の私がいる。


「ケン、お腹空いてない?」


ロビンはケンがあまり食べていなかった事を心配していた。
冷蔵庫を開けて果物と野菜を取り出し、美味しいスムージーを作るための準備を始める。
でも、ケンはそんな気分じゃないらしい。
キッチンに立つロビンをまた背中から抱きしめた。


「ねえ、ロビン…
教えてよ…
その加賀谷っていう男とはどんな関係だったの?」


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