その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党


「…でも」


「それは僕が許さないって言っただろ?」


ロビンがまた下を向く。
泣くのを必死に堪えながら。


「ロビンはさ、僕の事を頼りにしてないんだな。
なんだか、すごくショックだよ」


ロビンの大きな瞳は涙を流し過ぎたせいで腫れぼったくなっている。
そんな瞳で健太郎を睨んだ。


「そんな事ない!
そんな事ないけど、ケンを私の最低な事柄に巻き込みたくないだけ。
嫌な思いをするのは、私一人でいい」


健太郎はEOCのブレーンと言われるほど、たくさんの知識を身につけている。
それはどんな時でもどんな案件でも、確実に解決するためのツールにしか過ぎない。
ロビンの裏社会に関する知識ももちろん健太郎の頭の中には入っている。
そのタキワ・カンパニーという会社の脇田というボスの情報だって。
でも、そんな事をあえてロビンに話す事はない。
それはロビンの知らないところで解決すればいいだけの話だから。


「ロビンは今のままでいる事。
ちゃんと三か月は仕事をする。
その身辺の気になる事は、全部僕に任せてほしい。

僕に不可能はないんだ。
その言葉だけを信じてほしい」


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