その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
健太郎はロビンの過去には興味はない。
どれだけ苦労したとかは、これからの充実した生活の中で嫌な記憶として捨てていけばいいと思っている。
「加賀谷さん、あなたは何を望んでますか?
あなたこそ囚われの身だ。
脇田の側にいる限り、人間として下劣な人生を歩むだけ。
自由もない、ましてや実家にも帰れない。
田舎のご両親は行方不明だと思って、あなたの事をずっと探している」
加賀谷はうんざりしたように健太郎を睨んだ。
その瞳を見てある事を確信した健太郎は、次に話を進め出す。
「あなたが脇田の下から真剣に離れたいと思っているのなら、僕は協力します。
あなたが自由にならなければ、ロビンは一生その事を悔やんで生きていく。
ロビンのためだけに、僕は協力をする。
あなたも本気でロビンの事を想っているのなら、検討して…」
「何ができる?」
健太郎が話し終わらない内に、加賀谷は小さな声でそう聞いてきた。
「何でもできます。
脇田の息の根を止める事だって。
もちろん、それは合法な措置ですけれど」
健太郎はタキワ・カンパニーの悪事を全て調べあげていた。
でも、事を成すために、加賀谷の協力が不可欠だ。
加賀谷なしでは悪事は暴けない。