その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党



「あなたもよく分かっているように、タキワ・カンパニーは警察に目をつけられています。
水面下でかなりの人数の警察が動員されているのを知っているはず」


加賀谷は柄にもなく弱気なため息をついた。


「そうなれば、俺も捕まる事になる」


その言葉と表情で、健太郎は加賀谷を説き伏せる確信を得た。
あとは、理路整然と結果までの筋道を説明するだけだ。


「司法取引って知ってますか?」


健太郎は性格上、合法的な事にしか手を出さない。
ある意味、頭のいい人間はこの一番難しい合法的という手段を好んで解決に導いた。

日本で一番と言われている国立大学で、日本の法律の事を徹底的に学んだ。
更に世界各国の法律も趣味程度に大体を網羅した。
だけど、法律関係の仕事には全く興味はなかった。
自分の一つの知識として身につけておけばいいというスタイルを好んだ。

でも、ネットワークは素晴らしいものを構築できた。
弁護士に裁判官、検察に警察、健太郎の知り合いは優秀な人ばかりで、そのネットワークは日本に納まらない。
海外にも完璧なネットワークを構築している健太郎は、ITという情報通信技術世代の申し子とよく紹介された。
自分では今一つピンときていないけれど。


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