その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
「ロビンは自由じゃないと幸せじゃない。
それが愛する明智君でも、縛られてしまえば幸せじゃなくなる。
きっと、俺達では想像ができないほどの苦しみの中で生きてきたんだと思う。
…でも、だからといって、どうすればいいのか俺だって分からない。
だから、これは本当に余計なお世話だな。
でも、明智君にアドバイスをしなきゃって思っただけ。
俺も、一応、色んな事を乗り越えて愛する人と結ばれた人間だからさ」
ジャスティンは大げさに背伸びをして笑った。
そんなジャスティンを見て、健太郎も静かに笑う。
「僕は…
僕のやり方でロビンを幸せにします。
彼女を放っておくなんてできない。
だって、ずっと放っておかれてきた人間だから」
ジャスティンは大きく頷いて、天井を仰いだ。
明智君なら、必ずロビンを幸せにできる。
EOCきってのスーパーマンに不可能はない。
でも、その過剰すぎる自信に潰される事が一番怖かった。
女性を愛するという事は、理性より感情の方が上回ってしまうから。
「そっか… 分かった。
でも、明智君まで会社を辞めるなんていうのは許さないからな。
ソフィアが卒倒するからさ」
ジャスティンはそう言って、健太郎とハイタッチをした。
人を愛するという事を知ってしまった人間は、愛する人のためなら自分の命さえ惜しくない。
ジャスティンはその気持ちが分かる分、胸が苦しくなった。
でも、明智君なら大丈夫、そう信じるしかなかった。