その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
ロビンは家には帰らずに、謙人と一緒に食事に来ていた。
謙人の友人で、コンシェルジュの湯村さんに迷惑をかけた事を詫びるために。
謙人の取り計らいでアバンクールヒルズに入っているレストランで軽く食事をした。
「でも、ロビンさんが無事でよかった…」
湯村さんは感じのいい綺麗な女性だった。
ロビンは自分のした事がこんな騒動になっていた事が本当に恥ずかしかったし、反省していた。
「本当に心配かけてごめんなさい…
そして、ありがとうございます」
最近、日本語が流暢に話せるようになった。
普通の会話ならちゃんとしたキャッチボールができる。
それに、今日は日本語の先生の謙人もいる。
謙人はあえて自分は話す事はせず、ロビンに会話を任せていた。
日本人の同じ年代の女性と話す事などほとんどなかったロビンは、会話をする事が楽しくてしょうがない。
気が付けば、あっという間に時間は過ぎていた。
「私、今日はシフトが夜だから、もう行かなきゃ。
謙人さん、ロビンちゃん、今日はありがとうございました。
すごく、楽しかった」
「また、このメンバーで飲みに行こうよ。
今度は湯村さんの時間がフリーの時に」
謙人の誘いに湯村さんは嬉しそうに頷いた。
そして、ロビンの方を見て小さく手を振る。
ロビンは、そんな湯村さんに大きく手を振った。
またねと囁いて。