その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
「ロビンが、今、一番何をしたいのか教えてほしい。
僕はロビンのママの事もよく知っているし、ロビンが心の奥底に沈めているママへの想いがあるのなら、それを僕に話して。
僕は男だから女の人の考えてる事とか何も分かってなくて、周りの皆には明智君は人の心を読む事ができるなんて言われてるけど、ロビンに関しては本当に何も分かってない。
だから、惹かれるのかもしれないな…
子供の頃から、ロビンはいつも僕にとっては謎だったから」
子供の頃の話をすれば、ロビンは悲しくても笑ってくれる。
健太郎は目を細めてロビンを見ていた。
ほら、やっぱり…
泣いてるけどかすかに笑った。
「謎?」
ロビンは分からないといった風な顔をして、健太郎を見る。
「謎だよ…
子供の時も、今もそれは一緒」
「例えば?」
健太郎は固い階段のコンクリートの上からロビンを抱き起す。
そして、腰に手を回し、またゆっくりと歩き始める。
元気のないロビンを支えながら、健太郎はロビンの質問に答えた。