その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
「ロビン、ただいま」
今日の健太郎はロビンへのお土産を買ってきた。
駅前にある人気店のその中でも一番人気のマンゴー杏仁のケーキを、行列に並んで買ってきた。
それはロビンに話さなきゃいけない事がある。
その内容をロビンが喜ぶのか嫌がるのか、健太郎にはさっぱり分からない。
ロビンはケーキの箱を開けて中を確認すると、顔がパッとほころんだ。
健太郎はそれだけで癒される。
今夜は特別に夕食の前に、ロビン特製のチャイとケーキを食べる事にした。
健太郎はロビンが自分に話したい事があって、ソワソワしている事に全く気付かない。
だって、自分だって話したい事があって、その事で頭がいっぱいだったから。
健太郎はロビンがケーキを食べ終わるのを待って、その話を切り出した。
「ロビン、ちょっと大事な話があるんだ、いい?」
テーブルに向かい合わせで座っているロビンを優しく見つめながら、そう聞いた。
「あ、うん…
じ、実は、私も話があるの。
でも、ケンから話して。私はその後でいいから」
健太郎はロビンを優しく見つめたまま、OKとジェスチャーで返した。
そして、健太郎自身は、シナモンの効いたチャイを飲み干して姿勢を正す。
「実は…
ロビンがよければなんだけど、今週末に、僕の実家に行かないか?」