その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
「実家?」
健太郎は大きくため息をついた。
「今朝、珍しく母さんから電話が来たんだ。
何かあったのかと思って驚いたんだけど、どうやら僕の声を聞きたかったらしい。
同じ東京に住んでるんだけど、ほとんど実家には帰らないから、きっと心配したのかな。
そしたら、話の流れでさ、母さんと話す話題とかもなくて沈黙になりそうだったから、ロビンに会ったって話したんだ」
「奥様に?」
ロビンの瞳は驚いて大きく見開いている。
そして、どんどん潤んでくる。
「そう…
そしたら、ロビンに会いたいって泣きだして」
ロビンは胸に手を当てて何も言葉が出ないみたいな顔をしている。
「ロビンに会いたいって、会わせてほしいって何度も言うから、ロビンがいいって言えば今週末に家に一緒に行くからって言っちゃったんだ」
ロビンはまだ驚いている。
「でも、ロビンが会いたくなければ断るよ。
ロビンの気持ち次第でいい。
母さんも父さんもロビンの事をすごく可愛がっていたし心配もしてた。
だから、会ったら、色々と今までの事を聞かれるかもしれない。
気が乗らないなら会わなくても全然問題ないから。
僕が適当に断るからさ」