その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党


健太郎はそう言って肩をすくめる。
子供の頃から親元を離れて暮らしているせいか、あまり上手に親と向き合えなかった。
ロビンの存在は、健太郎にとってもいい機会なのかもしれない。
ロビンの話題やベトナムの思い出とか、両親と話す材料はたくさんある。
気持ちが落ち着いた健太郎は、今度はロビンに目を向けた。


「で、ロビンの話は?」


ロビンは一瞬何の事か分からなかった。
それくらい健太郎の両親に会える事で頭がいっぱいだったから。
ロビンは、今夜は、話す事はやめようと思った。
今はこの温かい気持ちのままで過ごしたい。
ベトナムへ帰る話は、健太郎の気持ちを落ち込ませてしまう。
だから、今日はやめた。
今夜は、大好きな健太郎の家族の話をして楽しみたい。


「私の話は…
また今度でいいや。
ケンのお父様達に会える事で胸がいっぱいで、今はどうでもよくなっちゃった。

あ~、でも、私、何を着ていけばいいのかな。
だって、十年以上も会ってないから、今の私を見て幻滅したりしないかな」


三日後の日曜日が待ち遠しくてたまらない。
私にとって、唯一家族と呼びたい大切な人達。
そんな大好きな人達が私に会いたいって言ってくれてるなんて…



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