その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
でも、ロビンはちゃんとケンのご両親に話したかった。
生活する事さえできずにいた自分を、ケンが救ってくれた事を。
「ケンと再会した後、ケンは私に仕事と住む場所を提供してくれました。
実は、私は、以前に働いていた場所から逃げ出していたんです。
そんな時にケンと再会して。
本当に感謝しています。
ベトナムで少しだけ一緒にいただけの私に、こんなに親切にしてくれて」
その後、ロビンは今の状況を事細かに説明した。
ケンのマンションに住まわせてもらっていること、EOCで三か月の契約で働いていること、日本が大好きなことを。
ロビンの話が終わる頃、奥様が涙ぐんでいるのが分かった。
「ごめんなさいね…
ベトナムに居た頃の幼い健太郎を思い出して…
ロビンが急に居なくなった夜、私は健太郎にすごく責められたわ。
お父さんとお母さんが付いてて、なんでロビンはアメリカなんかに行かなきゃならなかったの?って。
こんなに大人がたくさんいるのに、ロビンを、どうして守れなかったの?って」
隣に座る健太郎を見ると、面倒くさそうに下を向いている。
でも、奥様の話は止まらなかった。