その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党



旦那様はそこで一息ついた。
美智子さんが淹れてくれた温かい紅茶を飲み、ゆっくりとロビンを見る。


「でも、ファムさんは、ロビンが帰って来た時にベトナムにいてあげたいと言ってね、中々首を縦に振らなかった。

ロビンがアメリカに発って一年が過ぎようとしている頃だった。
ファムさんは手紙がロビンに届いてないのかもしれないと、ずっと心配していた。
ロビンからの返事がある日を境にパタッと来なくなったってね」


ロビンは顔を手で覆って泣き出した。


「わ、私は、ママの方から手紙が来なくなったって思ってました。
あの頃はパパの親戚の人の家に住んでいて、手紙はそこのおばさんに預けていました。
切手代が必要だったので…
だけど…」


ロビンはもう話す事ができない。
ママに手紙を書くのに、ママは返事をくれない。
幼いロビンは、おばさんが手紙を出していなかった事や、ママからの手紙をおばさんが捨てていた事なんて考えもしなかった。
ただひたすら待っていた。
大好きなママからのエアメールを。


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