その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
健太郎の拗ねた言葉に、家族全員で笑った。
その家族にはもちろんロビンも含まれている。
そんな光景を見ていると、健太郎の脳裏にジャスティンの言葉が浮かんできた。
…ロビンの幸せを一番に考えてあげなくちゃ。
健太郎は楽しそうに家族と話しているロビンを見つめながら、静かに目を閉じる。
自分自身の今やるべき事は、加賀谷と脇田の件を片付ける事。
その解決があってロビンの本物の幸せは顔を出す。
「ケン、離れの部屋を見に行きたい。
それと、まだ明るいうちに、ママのお墓にも…」
ロビンがそうしたいのなら、僕は何でもしてあげる。
それは子供の頃から変わらないんだ。
「分かった。
じゃ、ちょっと急ごう。
ロビンは、この家には、いつでも遊びにくればいいんだから。
今日はこのまま東京に帰ろう」
健太郎の言葉にまた両親は楽しそうに笑う。
「それは逆でしょ。
健太郎がこの家にしょっちゅう遊びに来る事になるのよ。
だって、ロビンはここで暮らすんだから」
ロビンは奥様の嬉しそうな顔に心が落ち着いていく。
自分がここへ来る事は、奥様達にとっても幸せな事。
だって、最愛の息子がこの家へ帰ってくる事が多くなる。