その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
ロビンは健太郎と美智子さんに連れられて、庭の向こうにある離れの部屋へ向かった。
白い壁が母屋とは違う柔らかい雰囲気を漂わせている。
「手前の部屋は、私が使わせてもらっています。
ファムさんの部屋は奥の方。
ここからはお坊ちゃまとお二人で行ってください。
それと、ロビンちゃん。
部屋の窓側に置いてある箪笥の一番小さな引き出しに、ママからの贈り物が入っていると思うので、ちゃんと見て下さいね。
何が入っているのかは、私は知りません。
でも、お出かけするたびに必ずロビンちゃんにお土産を買っていた。
それを大切にしまっていた引き出しなので…」
美智子さんは、また感極まっている。
ロビンは思いがけないプレゼントに心が付いていけない。
信じられない事ばかりで、そっと、健太郎の手を握った。
「それじゃ、私はここで。
また、すぐに会えますよね?
ロビンちゃんにも、お坊ちゃまにも」
健太郎は優しく頷いた。
そんな健太郎を見て、ロビンも大きく頷く。
美智子さんの後ろ姿を見送った後、ロビンは健太郎の後にくっついてママの過ごした部屋へそっとお邪魔した。