その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党



「ロビンは…
この部屋で暮らしたい、そうだよね…?」


ロビンは寂しそうな健太郎の目が見れない。
でも、そうする事が二人のためにもいい事のような気がしている。
だから、ロビンは何も考えずに小さく頷いた。
優しい健太郎の事だから、ロビンの願いを聞き入れてくれる。
だから、なおさら、ロビンは辛かった。


「そっか…
そうだよね…
ママの居たこの部屋は、ロビンが帰って来るのをずっと待っていたんだもんな。

でも、それを言うなら、僕だって一緒だよ。
僕だって、ロビンに会えるのをずっと待ってたんだから」


健太郎は自分でそんな事を言っておいて、変顔をしてロビンを笑わせた。
誰だよ、こいつみたいな自虐ネタにすり替えて。


「ロビンに第二の人生があるのなら、僕は歓迎するし応援したい。
僕が我慢する事になるとしてもね」


ロビンはそんな健太郎にもう一度抱きついた。


「あ、ヤバイ。
急いで、教会に行かなきゃ、中に入れてもらえなくなるよ」


ロビンは目まぐるしく過ぎていく時間に、付いていけない。
でも、何があっても、健太郎が側にいてくれる。
その安心感は、ロビンの中では、なくてはならないものになっている。
健太郎の存在自体が、ロビンの全てだった。
それは愛しているっていう言葉じゃ足りない。
今のかけがえのない幸せは、健太郎が運んで来てくれた。
たくさんの愛と優しい真心を腕一杯に抱えて…


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