その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党



森のトンネルを抜けると、急に視界が開けた。
すると、もう目の前に教会が見える。
ロビンは胸が躍った。
ヨーロッパの映画に出てくるような、可愛らしい佇まいの教会だったから。
健太郎は駐車場に車を停めると、すぐに助手席側に来てくれる。
そして、ロビンを優しくエスコートして、教会へ向かった。

健太郎は教会の受付の人に自分の祖父母の名前を言って、その後にロビンのママの話をする。
すると、受付の女性が席を立ち誰かを呼びに行った。


「初めまして」


教会の入り口のところで待っていたロビンと健太郎に、そう挨拶してきたのは神父様だった。
そして、ロビンを見つけると、両手を広げてロビンを迎えてくれた。


「あ~、ロビン…
僕は嬉しいです…
あなたに会いたかったから」


神父様は二人を教会の中に案内して中庭のベンチに腰掛けるよう促すと、十年以上も前の出来事をまるで昨日の事のように教えてくれた。
神父様はロビンの事を何もかも分かっていた。


「ファムさんは僕の所に来るようになって、顔つきがとても柔らかくなってね。
僕に少しずつ自分の中の苦しみを話してくれた。
懺悔とは違う。
ただのお友達同士の会話みたいに、明智のおばあちゃまも一緒に三人でこの場所でよく話をしたよ」



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