その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
「もっと早く、ロビンをここへ連れて来たかった…
ファムさんとロビンが離れ離れになった時、僕はまだ子供で、こんなに時間がかかってしまった事を許してください。
あと…
この日本に、いや、この僕のふるさとに、ファムさんが暮らしていた事を知らずにいた事も許してほしいです。
ごめんなさい…」
ロビンは健太郎の手を取った。
そんな事ないよと寄り添いながら。
「それと、これからのロビンはもう大丈夫です。
僕の両親や美智子さん、ファムさんが愛してくれた人達が全力でロビンを守ってくれます。
でも、それ以上に、僕がロビンに溢れるほどの幸せを送ります。
手離した事を後悔して毎日泣いて過ごしたファムさんのロビンへの想いが、少しでも成就できるように、僕が二度とロビンを手離しはしません。
ここで、ファムさんに誓ってもいいですか?」
健太郎がそう呟いた時、ロビンのママの墓石に西日が差し込みその場所だけ金色に輝き出した。
まるでスポットライトを浴びて自分がここに居る事を主張しているように。
「ママ…?」
ロビンはもう一度墓石に触れる。
ママの頬を触っていた子供の頃のように、優しく嬉しそうにそして震えながら。