その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
健太郎のさりげないプロポーズにロビンは当たり前のように頷いた。
「その時は、私の方からプロポーズをする。
ケン、私と結婚してくださいって」
二人は頬を寄せ合って笑った。
海が見えるこの風景は、ロビンと健太郎の心に深く刻み込まれる。
こんな未来が訪れるなんて、昨日までの二人には想像もつかなかった。
健太郎とロビンは、何度も墓石を触る。
黄金色に輝く墓石に、自分達の存在を映し込むように。
「そろそろ帰ろうか?」
健太郎の声にロビンも立ち上がった。
いつの間にか空の色はオレンジ色に変わっている。
ロビンは健太郎の腕に絡みついた。
そんな時、少しだけ風が吹いた。
その異変に気付いた健太郎は、何となくロビンのママのお墓を振り返る。
一瞬、健太郎の脳裏に忘れていた記憶が蘇った。