その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
健太郎は何も言えない。
好きか嫌いかと言えば好きだ。
でも、大人になった今、それは不確かなもので、愛してるとかそんなものなのかも分からない。
結婚??
そんな事、考えた事もなかった。
「好きか嫌いかで言えば好きです。
でも、それだって、子供の頃の話で、今のロビンに対しての想いは、ちょっと自分でもよく分からない。
救いたい、ただそれだけです…
その後は全く未定ですし、結婚?なんて、百パーセントあり得ません」
謙人は意味ありげに微笑んで、そして、コーヒーを飲み干した。
「了解。
それなら協力するよ。
明智君までラブラブ病にかかったら、このEOCはどうかなってしまうからさ。
凪に始まり、本当、この職場は呪われているとしか思えないよ。
明智君はそんなキャラでもないし、それならいいよ。
ミアに今夜会っても」
健太郎はこの時は何も思わなかった。
ロビンを想う心は子供の初恋の状態のままで、今の自分は人を好きになるとかそういうのが一番面倒くさい人間だ。
どんなにロビンが綺麗でも…
それは自分の中では想定内の事だから。