その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
ジーンズに大きめのブルーのシャツを着たシンプルな格好なのに、健太郎の胸はあり得ないほどに騒ぎ出す。
……ロビン、会いたかった。
ロビンは席につくと、すぐにスマホを取り出した。
健太郎にジッと見られているなんて全く気付かずに。
そして、さりげなくサングラスを外す。
健太郎は、今、この時間、自分が何をするためにここへ来ているのか忘れていた。
サングラスを取ったロビンは、メイクなんてしていない。
口元は薄ピンク色のグロスだけ。
ロビンはあの頃のままだった。
画像で見たロビンだって、濃いメイクの下に幼さが残る面影を見つける事ができたけど、今、目の前で頬杖をつくロビンは、健太郎が大好きだったロビンのままだ。
ロビンを見つけた喜びとは違う何かが心臓を突いてくる。
健太郎は小さく深呼吸をした。
まずはロビンに声をかける事。
それをするためにここへ来たんだろ?
アイスコーヒーを頼んでまたスマホを覗き込むロビンの前に、健太郎はさりげなく立った。
何だか心臓が痛くなる。
ロビンは、その健太郎の動きに顔を下げたままビクッとした。
きっと、怪しい人間と勘違いしている。