その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
「ロビン…?
ロビンだよね?」
ロビンと本名で呼ばれた事に驚いたのか、ロビンはすぐに顔を上げた。
そして、目を丸くして健太郎を見つめる。
健太郎は英語で話しかけた。
あの頃、子供の時に二人が会話していたように。
「ロビン…
僕を覚えてる?
明智健太郎、ケンだよ。
僕が10歳の頃家族がベトナムに住んでいた時に、ロビンのママが僕達の家のお手伝いさんで、ロビンも一緒にその家に住んでた。
ロビンだよね?」
ロビンの大きくて愛らしい瞳は何も変わっていなかった。
濃紺に緑が混ざったようなロビンの独特の瞳の色を、僕は大好きだったから。
そんな大きな瞳に見る見る涙が溢れ出す。
その涙はきっと僕を受け入れていると、健太郎は勝手に判断した。
僕はロビンの目の前に座る。
もっとロビンを見ていたいから。
「……ケン。
ごめんね、驚いちゃって、言葉が見つからない…
……ケン。
大人になってるけど…
でも、あの時のまま」
ロビンは拭っても拭っても涙が止まらない。
健太郎はロビンが落ち着くまでゆっくりと見守った。
そして、ロビンは小さく息を吐くと、健太郎の目をジッと見つめた。