その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
「トオルの悩みを解決できるアイディアを、我らが明智君が思いついてくれたぞ」
健太郎はさっきトオルさんを冷たくあしらった事さえもう忘れている。
というか、そういう風にした事さえ意識してなかった。
でも、トオルは健太郎によそよそしい。
俺は傷ついてるんだぞって訴えるように、わざと口を尖らせていた。
「何を思い付いたんだ? 我らが明智君?」
「あの…
以前、凪さんのマイマイさんが働いていたように、バイトを入れたらどうかなと思いまして…」
トオルは少しがっかりしたように肩をすくめた。
「ソフィアがどういう求人をかけているのか分かならいけど、中々、インターナショナルな子がいないらしい。
マイマイは皆に知れ渡る方法で求人を募ったけど、最近はその方法は止めたらしいんだ。
明智君みたいな有能な子を求めてるんじゃないかな…
明智君を基準に考えているから誰も決まらないんだと、俺は思ってるんだけどね」
すると、ジャスティンがトオルの肩に手を置いた。
「その明智君の推薦だから、今回はソフィアも首を縦に振ると思わないか?」
トオルはすがるような目で健太郎を見る。
「誰かいるの?」