その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党


ロビンはそんな健太郎に軽くハグをする。
それは健太郎を遠い昔へと誘った。
でも、あの頃のような挨拶代わりのハグも、今では違う意味になってしまう。
ロビンの温もりは、一瞬で健太郎の心を癒すもの凄い力を秘めていた。


「じゃあね、あとでね」


ロビンは可愛らしく手を振って、このビルから居なくなった。
健太郎は自分の中の変化に戸惑っている。
雄の部分が牙をむき始める、それは、保護欲と独占欲に支配された冷酷なもの。
優しくて穏やかな明智君は、どこかに隠れてしまったみたいだ。



「明智君、舟が呼んでるぞ」


健太郎が会社へ戻ると、すぐにジャスティンにそう言われた。
健太郎が慌てて社長室へ入ると、舟は困ったように健太郎を見る。


「彼女の事をちょっと調べさせてもらった。
在留期間があと半年しかない事が、気になったからさ。
今までどういう手段で在留期間を延ばしてきたのかは知らないけど、でも、今回からは正当な手続きをしなきゃならない。

とりあえずは、EOCの社員として在留資格を申請し直すよ。
でも、今は、まだ仮契約だから、三か月後にロビンの仕事がどうなるかで、日本の滞在は厳しくなる。

ソフィアがそのまま継続で契約してくれればいいけど…」



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