その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党


ロビンは健太郎の家の周りを散策してから、家へ帰り着いた。
健太郎のマンションは、周りにスーパーらしきものが何もなかった。
コンビニは何個かあったけど。

だから、ロビンは結構遠い場所になってしまったけれど、激安スーパーを見つけてたくさんの野菜とお肉を買ってきた。

ママがよく作ってくれた、健太郎が大好きだった料理を作ってあげたい。
こうやって遠い昔に亡くなってしまったママの事を自然に思い出せる事も、何だかすごく嬉しかった。

ロビンは、この間までの自分を完全に忘れたいと思っている。
これからの自分の人生次第で、それは簡単にできると信じていた。

ロビンは料理をする事が大好きだ。
それは、幼い頃から母の仕事を手伝っていたせいもある。
オーナー様の食卓を美味しそうな料理でいっぱいにする事が、母の自慢だった。
健太郎の家にいるせいか、あの頃の幸せな日々が次から次へ蘇ってくる。

以前のあの頃には、ママは私の夢にも出て来てくれなかったのに。


ロビンは、ささやかながら、健太郎のそれほど大きくない食卓を色とりどりの料理で埋め尽くした。
節約したせいでとにかく野菜系の料理が多いけれど、確か、幼い頃の記憶ではケンは何でも美味しそうに食べる子だった。
皆が嫌いなパクチーでさえも。


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