その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党


わざわざ改まって話す事じゃないと分かっていても、自分に言い聞かすためにも言っておきたい。
ロビンは姿勢を正して健太郎を見つめた。


「EOCの中では、僕はロビンと少しだけ距離を置こうと思ってる。
その方がお互いに仕事もやりやすいと思うし、あ、でも、教えたりする事はちゃんとするよ。
だけど…」


健太郎は自分の事になると、上手くフォローできない。
特にそれがロビンを傷つけてしまいそうな言葉なら、なおさら。


「だけど?」


健太郎はロビンの問いかけに、自分自身の甘い心を封印した。


「とにかくロビンは、この三か月間は、しっかりと自分の事だけを考えて。
EOCも僕自身も、ロビンの事はちゃんと守る。
ロビンは皆に認められるように頑張ってほしい。

それと…
僕達はこうやって友達のような家族のような関係を、大切にしていこう。
だから、この部屋は自分の家だと思って、しばらく居ていいから」


健太郎はこう言いながらも、ロビンの表情に釘付けになっている。
きっと、僕はロビンの事を何も知らない。
人間の裏の部分を探る事を得意とする僕なのに、ロビンに関しては何も見えない。
だからこそ、彼女の全てに惹かれている。
いっその事、ロビンの全てを知ってしまった方が、僕のためにはいい事なのかもしれないけど…


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