その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
ロビンは持っていたグラスを静かに置いた。
そして、健太郎の左手を自分の両手で優しく包み込む。
「ケン…
本当にありがとう。
私は、たぶん、前世できっと悪い事をして、だから、現世では幸せになれないんだってそう思ってた。
だから、幸せを求める事をやめたの。
結構、前にね…
だけど、健太郎に出会ってから、何だかすごく幸せで、ママの事も自然と口に出せて、それがすごく嬉しくて…
この穏やかな時間をもっと味わっていたい。
一日でも長く。
それが叶うなら、私、一生懸命頑張る。
こういう仕事をプレゼントしてくれた、健太郎のためにも」
そう言った後、ロビンは昔のように健太郎の手に自分の手を合わせて遊んでいる。
前は私の手の方が大きかったのに~、なんて笑いながら。
健太郎は天涯孤独のロビンを手離したくないと、心の中でそう思った。
いや、手離さない…
僕がどれだけ探したと思ってるんだ。
この笑顔が忘れられなくて、ずっと探し求めてきたんだから。