その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
そこは新しい日々
出社初日の朝、ロビンは早めに会社へ着いた。
のはずなのに、ロビンはエスカレーターに乗ろうとした時、健太郎に声をかけられた。
「ケン、どうしたの? こんなに早く」
健太郎は微笑みながら、エレベーターのボタンを押す。
「ロビンが入るまでは僕が一番年下だから、早めに来て会社を開けてたんだ。
だから、ついつい、この時間に来る癖がついてるみたい」
ロビンは健太郎の性格をよく知っている。
子供の頃と変わってなければの話だけど。
いつも、優しさがさりげない。
普通のいつもと変わらない顔をして大きな優しさで包み込んでくれる、不思議な男の子だった。
健太郎はEOCの玄関ドアの開錠の仕方やパスワードの打ちこみ方のコツなど、ロビンが苦手な細かい作業を丁寧に教えてくれた。
ロビンはEOCの会社の設備には、改めて驚かされた。
明るく大きなフロアに個人のブースが並び、カフェスペース、サロン、それに女子のための設備も充実している。
ロビンはジャスに言われたように、前任者のマイマイが残してくれたノートをずっと見ていた。
細かくアルバイトの仕事をまとめてくれている。
でも、ロビンは日本語を読む事はまだ苦手だった。
「ケン…
ちょっとだけ手伝ってもらっていい?」